コラム
採用活動を始めても、会社の規模や業種、社会情勢によって人を集めるのが難しかったりします。さらに、社員を1人採用するためにかかるコストは膨大で、それを考えると頭が痛くなる人もいるのではないでしょうか。
採用コストを削減する方法、それは「在籍型出向」です。在籍型出向は、出向社員が出向元と出向先の両方と労働契約を結び、出向期間中は出向先で働くという仕組みです。出向先の企業は出向元の企業と出向契約を交わして出向社員に来てもらいます。そのため、採用するために広告を出したり、求人サイトに掲載したりと、宣伝をする必要がないのでコストがかかりません。また、出向には在籍型出向と転籍型出向の二つがあり、在籍型出向を選ぶということは、出向元が解雇したくない優秀な人材という可能性が非常に高いため、低コストで優秀な人材に働いてもらえるということです。
また通常の採用を行った場合、採用コストをかけてようやく採用を決めた人材がいたとしても、入社前に内定辞退があったり、ドタキャンにあったりする可能性もあります。ですが在籍型出向の場合は、個人との契約だけではなく会社同士の契約も結んでいる為、よほどのことがない限り出向辞退やドタキャンが起こる心配はありません。なぜなら出向元の企業の信用問題にかかわることになるからです。
これが、企業と個人との契約ではなく、企業間の契約がある強みです。
採用が難しい場合、在籍出向で受け入れ先企業となることで、採用コストもリスクも抑えられるということです。
中途採用の場合は、どの部署にどんな人材を入れたいのか、何を基準に採用を決定するかの採用計画を立てることから始めます。採用方針と採用基準が決まっていれば、面接を始めてからぶれることも少なくなります。
その後、採用ターゲットが見ているであろう求人情報誌やメディア、ハローワーク、転職エージェント、ダイレクトリクルーティング、SNSなど、欲している人材に合わせて募集をかけます。応募が来たら、書類選考、面接(場合によっては採用試験)、を経て採用決定というのが流れです。
募集から書類選考、面接までの流れは、大体1か月ぐらいですが、中途採用の場合はもっと短く設定している企業もあります。
出向を受け入れる場合、産業雇用安定センターなどに相談したり、民間の在籍型出向をマッチングするサービスを利用します。
出向元と出向先が決まったら、企業の間で出向契約を結ぶ必要があります。出向契約締結後、問題なければ、出向社員の勤務態様・条件を出し、出向元と出向先の企業とで、出向社員に対してどちらが給料をどれだけ払うのか、社会保険はどうするのかというところまで決めてしまいます。というのも、出向社員に出向先で働いてもらう際に、どちらの企業がどれだけ負担をするのかは法律で決まっていないため、両企業での話し合いによって決めるからです。 両企業での話し合いが終わってから、出向社員に条件を見せて合意を得られたら、出向開始です。
在籍型出向を受け入れる場合、出向期間があるため、期間限定にはなりますが、新卒採用や中途採用、派遣社員を雇うよりも採用コストがかからないのが特徴です。働き手が欲しいと考えているのであれば、一度在籍型出向という方法も候補に入れてみてはいかがでしょうか?