コラム
労災で休むことになった。
そんな時、まず頭をよぎるのは経済的な不安でしょう。
休業中は給料がどうなるのか、生活していけるのか、心配は尽きません。
今回は、労災で休んだ場合の休業補償についてご紹介します。
会社との対応についても触れ、不安を少しでも解消できるよう努めます。
労災で仕事に就けなくなった場合、休業中に生活を維持するための経済的な補償が受けられます。
これを休業補償といいます。
労災保険から支給されるもので、会社からの休業補償とは別です。
休業補償を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず、業務災害または通勤災害によって負傷・疾病し、治療のために仕事に就けない状態であること。
そして、そのために賃金が支払われていないことが必要です。
休業補償の金額は、給付基礎日額という金額に基づいて計算されます。
給付基礎日額は、事故発生前の3ヶ月間の平均賃金から算出されます。
休業補償の金額は、この給付基礎日額の80%です。
ただし、待期期間(後述)の3日間は支給されません。
休業補償は、病気やケガが治癒するまで、または症状が安定する「症状固定」まで支給されます。
症状が完全に治らなくても、これ以上治療しても状態が変わらないと医師が判断すれば、症状固定となります。
休業補償は、休業開始日から3日間の待期期間の後から支給が開始されます。
この待期期間は、会社が休業日であっても1日としてカウントされます。
土日祝日も含まれます。
休業補償と有給休暇は併用できません。
休業補償は賃金が支払われないことを前提としているためです。
有給休暇を取得した場合は、賃金が支払われるため休業補償は支給されません。
ただし、待期期間中の3日間は有給休暇を使用できます。
休業4日目以降は、休業補償と有給休暇のどちらを利用するかは、労働者が選択できます。
土日祝日も療養期間に含まれるため、休業補償は支給されます。
退職後も、業務災害または通勤災害による療養期間中は休業補償が支給されます。
ただし、再就職などで収入を得るようになった場合は、支給されなくなります。
休業補償以外にも、療養費や障害年金、遺族年金など、労災保険から様々な給付を受けることができます。
これらの制度は、ケガや病気の状態、そして死亡した場合などによって異なります。
会社には、労働災害が発生した場合、労働者に対して安全配慮義務があります。
また、労働基準法に基づき、休業補償の支払い義務(待期期間中の3日間)を負います。
従業員には、労災による休業を申請する権利があります。
また、休業中は治療に専念し、会社への連絡を適切に行う義務があります。
休業中は、定期的に会社に連絡を取り、自身の状態を報告する必要があります。
連絡方法は、会社と相談して決めましょう。
職場復帰については、医師の意見を参考に、会社と相談しながら決定します。
段階的な復帰も可能です。
労災による休業中は、会社との円滑なコミュニケーションが重要です。
不安な点や疑問点があれば、積極的に相談しましょう。
労災で休んだ場合、休業補償制度によって経済的な支えを受けられます。
支給開始日や金額、支給期間などは、労働災害の種類や状態によって異なります。
会社には安全配慮義務があり、従業員は治療に専念しつつ会社と良好なコミュニケーションを保つことが大切です。
不安な場合は、関係機関や専門家に相談することをお勧めします。
休業補償の支給は、待期期間を除き、症状が治癒するまで、または症状固定となるまで続きます。
有給休暇との併用はできませんが、待期期間中は有給休暇を使用できます。
退職後も、療養が続く限り休業補償は支給されます。